掲載誌紹介 建築基準法の誤解、問題点その6−株式会社M's(エムズ)構造設計

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■建築基準法の誤解、問題点  その6
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 最近、地盤改良工事が増えてきたと思いませんか?地盤改良率は平均して80%、多いところでは100%、中には全棟地盤改良が当社の売りでお客様のためなんてところもありました・・・
 木造住宅に限って言えば、数年前まで地盤改良や地盤調査など全く行わないまま施工してきた業者はたくさんあると思います。ではそのときに不同沈下は80%もありましたか?そこまではなくても不同沈下はありましたか?多分そんなにないと思います。
 ではなぜこんなに地盤改良が多いのか、それにはいくつかの理由があるようです。



 安全性を考慮しているため

 建物を同じ場所に同じような規模で建替える場合、既存建物解体後、地盤調査をしたら地盤改良必要との結果が出て、今までの建物は沈下していないのになぜ?と思った経験はないですか?地盤調査により地盤の長期許容応力度(簡単に言えば地盤の強さ)が算出されその結果を基に基礎設計をするわけですが、この地盤の長期許容応力度の算出には安全率が加味されています。このように既存建物は沈下していなくても安全性を考慮した結果、地盤改良が必要になることがあります。これは建替えに限ったことではなく新築の場合でも同様です。



 PL保険の関係

 PL保険を利用した「地盤瑕疵保証制度」の場合、地盤を製造物にする必要があり制度を利用するには必然的に地盤改良をすることになります。



 地盤改良は儲かる

 これはかなり悪質な業者の例です。地盤調査は金額が安いため地盤改良が必要になるようデータを改ざんし、金額の高い地盤改良工事で儲ける業者です。このような業者は避けたいものです。しかし実際に存在していますし「地盤調査だけでは商売にならない。地盤改良をしないと儲からないよ」と悪気なく言っています。こんな業者を見分ける方法としていくつか挙げてみました。

(1) なぜか毎回同じような地盤調査結果が出てくる。どこの敷地を調査してもなぜか表層から深い部分に軟弱層があり、鋼管杭や柱状改良でかなりの工事費がかかる。
(2) なぜか毎回同じ改良工事。どこの敷地を調査してもなぜか同じ改良工事が必要となる。
(3) 地盤調査費用がとても安価。人件費などを考えた場合それほど安価ではできません。価格競争も大切ですが、常識を超えた安さは他で儲けられている可能性が考えられるため注意が必要です。

他にも地盤改良が増えているが要因はあると思いますが、以上のような理由から地盤改良は増えているようです。

 では、地盤調査の結果から地盤改良の有無は誰が判断していますか?地盤調査業者任せにしていませんか。その改良工事は本当に妥当なものか理解していますか。こんな光景を以前見たことがあります。



 隣同士で違う改良?

 同じ分譲地の隣同士の3棟がほぼ同時にそれぞれ違う業者の施工により着工しました。各社地盤調査を行い1棟は地盤改良なし、1棟は表層改良(表層浅い部分に軟弱層あり)、もう1棟は柱状改良(表層より深い部分に軟弱層あり)をしていました。偶然地盤の状況が違ったのかも知れませんがここまで極端に改良工事の方法が違うと、どれが本当なのかと疑ってしまします。


 本当に改良は必要?

 ある敷地で地盤調査の結果、地盤改良必要と業者より言われ困惑したユーザーが相談に来られました。地盤が強いからと購入した土地なのにおかしいと。当社で地盤調査を再度行ったところ岩盤のように固い土地でした。設計業者は地盤調査の業者任せで知らないと責任逃れしていました。

 地盤調査を行う業者は地盤の強さを測定するだけと考えてください(中には実際に建てる建物の重量を算出して基礎設計まで行う業者もあります)。地盤改良の有無を最終的に判断するのは設計者なのです。不運にも不同沈下してもすべてが地盤調査を行う業者の責任とは限りません。設計者の責任が問われることが多いのです。設計者ならば地盤調査結果を見ても意味がわからないとは言っていられません。是非とも地盤調査結果を自分で理解してください。

 最後に地盤調査を行う業者はたくさんありますが調査方法は様々です。住宅の場合特に多いのは、SS(スウェーデン式サウンディング)試験と表面波探査試験です。詳しい解説はしませんが、それぞれ長所短所があります。SSは正確だけど表面波探査試験はダメ!と極端な意見を言う方もいますが、それぞれの特徴を活かし利用することが大切です。


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